第3章 3
「警戒心なく気軽に接してもらえるのと、なかなか気軽に接してもらえないけど意識してもらえるの、どっちがいいんだか」
私は何も答えられず、冷めたコーヒーに口をつけるしかできなかった。
「と、ところで朝日奈さん。まとめの方は…」
「もう少し。終わったらご褒美くれるんだろう?」
妖艶な笑みを浮かべながら朝日奈さんは楽しそうに言った。
「もう!からかうのそんなに楽しいですか!」
「あぁ。楽しい。そんなにいちいち反応されたらやめられないね」
思うがままに転がされるのもいい加減納得いかないので、私はだんまりを決め込んだ。
「あれ?おもしろくないな」
朝日奈さんはソファから立ち上がりノートパソコンに向かう。
私はいつの間にか机の上に置かれていた本をとり、続きを読み始めた。