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夢きらめいて(ブラコン夢)

第1章 1


ドン、と肩がぶつかり合う。

「Mi scusi!」(すみません!)

長い綺麗な黒髪がふわりと舞う。
涼やかなソプラノの、日本語訛りのイタリア語が焦りながらごめんなさい、と告げた。

「Va bene」(大丈夫よ)

そう返事をしたが、彼女はあっという間に走り去って音楽院の中に滑り込んで行った。

「せわしない子ね」

きっと音楽留学をしている子なのだろう。
久しぶりに観光客以外の日本人に出会い、意味もなく嬉しい気持ちになった。
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