第2章 2
きっかり15分後。私の部屋のドアがノックされた。
ドアを開けると、女装姿の朝日奈さんがいた。
「お仕事帰りですか?」
「いいえ。女の子の服を選ぶときは、こっちのほうが気がラクでしょう?」
「…たしかに?」
男の人の姿でいられるよりも、確かに女装している時のほうが気軽に話せる気はしている。
気を使ってくれているのだろう。
その気遣いを大切に受け取っておくことにした。
「さぁ!庶民なさくらを素敵なレディにしてあげるわ!」
朝日奈さんはそう息巻いて大きな化粧ボックスを持ち直した。
「お、おねがいします!」