第1章 four plus one
「麗華は! おい! 大丈夫なのか?!」
「様はどうしたんでしょう…?」
「はい。すみません。本当にすみません」
走って入って来た赤髪の人は、ミルトさんに叱られながらこちらを見た。その瞬間に「麗華!! …様!!!」と様を離しながら言い、こちらに歩み寄って来た。
「大丈夫か?!」
「え…あの……」
私がいきなりの事で慌てていると、ミルトさんはその赤髪の人を捕まえて自分の横に立たせた。
「少し待って下さい。麗華様が困っています」
「はい…」
赤髪の人がショボーンとしていると、開いたままの扉から、続いて2人入って来た。
「はぁ…はぁ…だめだ…。へクター足速すぎる…」
「お前が遅いだけだ」
「びどいっ!」
一人は茶髪、もう一人は青色でメガネをかけた人が、おちゃらけながら入ってくる。
「あっ! 麗華ちゃん大丈夫なの?!」
「………」
「すいませんすいませんすいません。まだ死にたくないです」
もはや無言でも分かるらしく、ミルトさんから目線を向けられただけで謝りだす茶髪の人。
「とりあえず、大まかな事情は話しますが…。よろしいですか? 麗華様」
「えっ。あ、はい。お願いします」
ミルトさんは「では…」と言うと3人に向いて、私が話したことを、私よりも分かりやすく話はじめた。