第4章 運動神経無いだけで
「ふふっ。そんな睨んだってダメだよ?」
「…っ……」
そう言ってエリックは再び動き出す。
「…んあぁっ…! ……あぁっ! ちょっ…あぁあっ!!」
空いている右手で私の秘豆を弄るエリック。私がそれに大きく反応するたびに、耳元で「クスッ」と笑った。
「はぁっん…! あぁあ…ぁっあっあ…!」
その時。不意に遠くの方から扉の閉まるような、バタンっという音がした。
「! 何…? 今の…音…んっ! あぁっ!」
「誰かがここら辺を歩いてるね。麗華ちゃん、静かにしてないとバレちゃうよ?」
「そ…んなあぁっ…! こと言ったってぇ……んっ!!」
私がそう言うと、エリックは私にキスをした。
正確に言うとすれば、キスと言うよりも口に蓋をしたような感じだ。
「んっ…んん」
私が声出しちゃうの分かってるなら動きを止めてくれればいいのに…。
「誰かいるのか?」
今だエリックが口を離してくれない中、部屋の外からはルーファスの声が聞こえた。
「!!」
私はその時、異常なほどの恥ずかしさと、高揚感を覚えた。
―――私達は今、ルーファスと壁を挟んで……シている―――
「/// んんんっ」
そんな状況だというのに、エリックは動きを止めようとはせずに、さらに動きを強くした気さえする。
「…しーっ。麗華ちゃん、我慢して」
「そんな…無理っだって…んっぁ」
口をようやく離して静かにエリックは言うが、動きは止めない。
「……?」
壁の奥から、かすかな足音がし、離れていくのが分かった。
「…行ったみたいだね」
耳元で少し嬉しそうにエリックは呟くと、さらに続ける。
「麗華ちゃん、ルーファスが来た時、感じてたでしょ」
「!! /// 違っ…! そんなっ!」
私は否定をするも、かなりたどたどしくなってしまった。エリックもそんな私を見てニヤニヤとした笑みを浮かべている。
「麗華ちゃんの、ヘンタイ」