第1章 four plus one
カツっカツっと私の足音が長い廊下に響く。
「っていうか、私ヒール履いてたんだ…道理で歩きずらいと思った」
あれ? って事は、私靴履いたまま寝てた…? じゃあここって海外ってこと?!!
「え…どうしよう」
私は立ち止まり、色々と考えてみる。
「えーー……どうしよどうしよ…」
ウンウン一人で唸っていると後ろからいきなり声をかけられた。
「…麗華様? どうなされましたか?」
ビクッとして後ろを向くと、私よりも20cmほど背の高い金髪の男性が、真っ黒の燕尾服を着て立っていた。
えっ…。そういえば、麗華って今言った? しかも様って…。
「あの…その……なんで名前を知ってるんですか?」
「…え?」
私が聞くと、彼は「何を聞いているんだこの人」くらいの勢いで、素っ頓狂な声を出した。
「なぜ…と言われますと……。…。私は…いえ、私達は、麗華様の専属執事をさせていただいている…からですかね」
…。ん?
専属執事…?!
「ええぇぇぇえええぇええぇぇえええぇぇぇえ?!!」
「えっ?! すっすいません!」
「いや謝んなくていいですよ!」