第4章 運動神経無いだけで
私の腰は完全にエリックの脚の上で、けれど身長差のせいで私の頭よりも少し上にエリックの顔があった。
「エ…リック…。これ…」
私が顔を赤くしながらエリックの方を向く。
「! …///」
すると、思った以上に顔が近くにあり、私はすぐに顔を前に戻した。
「これで痛くない?」
「痛くないけど……。ちょっとこれは…」
エリックは「これはって?」ととぼけたような声を出した。それは、分かって言っているのか、本当に分からずに言っているのか、表情を見ていないので私には分からなかった。
「…///」
「ねぇ、麗華ちゃん。「これ」って何? どういう事?」
エリックが耳元で聞いてくるたびに、私の鼓動は早くなり、顔も耳も真っ赤になってくる。
そして、私の顔を最高潮に赤くさせたのは、最後のこの言葉だった。
「……期待してるの?」
思わず振り返った私が見たのは、エリックの怪しげな少し熱を帯びた顔だった。
「ここでシちゃう…?」