• テキストサイズ

four plus one

第3章 私と私



 「ムスっ」
 「……」
 「……」

 若干不貞腐れているようにも見とれる顔をして、タンコブを2つ付けたへクターと、私を交互に見る3人。

 「…え、えっと……」

 これはつまり、へクターと同じ対応をみんなにもすればいい…のかな…?

 「あの…全員、名前呼び捨てでもいい?」

 そう言った瞬間に、エリックさんの顔が輝いたのは言うまでも無い。

 「麗華様の判決に抗う事はありません」
 「……」
 ミルトさ…ミルトは優しく笑って肯定、ルーファスは何も言っていないけど多分大丈夫。

 「あ、あと、私に対しても敬語じゃなくてイイよ?」
 「「それは駄目です」」
 続けて提案をするも真面目2人から同時に否定をされ、転びそうになる私。しかしへクターとエリックは何でも無いような顔をしている。
 「主である麗華様にそのような無礼なことは出来ません」
 「え…でも」
 「いいのいいの! ミルトとルーファスはそーいうキャラだから!」
 エリックがルーファスを叩きながらそう言う。エリックはルーファスに凄い形相でにらまれているのに気づいていないよう。
 「そ、そうかな…?」
 まぁ確かに、この2人に呼び捨てで親しくされても、正直違和感が残る。
 「あ、そうだ。ミルト。専門について、麗華に説明してあげてくれる?」
 へクターは思い出したようにミルトに声をかける。すると、ミルトは「そうですね」と言ってから私の方を真っすぐ向いた。
 「私達はものの全てをこなす執事ですが、やはり人ですから、得意不得意があります。なので、麗華様の趣味ややりたい事など、そういった面は、個別で指導をさせていただくようになっています」
 いつも思っていたが、ミルトが話すと微妙に長い。
 なんとか脳を話しについて行かせて内容理解すると、私は「簡単でいいから全員教えてくれる?」と問いかけた。
 「分かりました」
 ミルトさんは胸に手を当てて一礼した。
/ 44ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp