第2章 苦しみを忘れた少女
暇。
暇暇暇…。
暇…暇だ。
暇以外のなんであろうか。この空間は。
暇暇暇暇暇暇暇暇…。
―――暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇!!!!!!!!!!!!!!!
「麗華ー?」
「ああっ!! もう! 暇なのよ!!!」
「ええぇっ?!!!」
ノック無しで唐突に部屋に入って来たへクターに、私は八つ当たりをした。
「仕方ないよ…休んでなきゃいけないから」
「もう大丈夫よ」
私が「フンっ」と鼻を鳴らしてそう言うと、へクターは「じゃあ立って歩いてみ?」と私から少し離れて見せた。
私はムッとして、ベッドから早く足を下して、ムキになって立ちあがった。
「……………っ!!! あぅっ!!!」
歩くとダメ。
完全に倒れそうになったが、へクターが私を前から支える。
「ほらー。やっぱダメじゃん」
「あっあああんた! 狙っでしょ!! ///」
へクターを 自分から引きはがそうとするが、まだ傷が痛んで力が上手く入らない。そのためへクターは中々離れてはくれなかった。
「んー? 狙ってなんか無いよー?」
「うっ嘘! 絶対狙ったわよ!! ////」
「あはー。顔真っ赤ー」
「っっっ!!!」
スパアァァン!!! と100点満点の音をたて、へクターの顔をビンタ。
「っっったぁー!!!!!!!」
「あははははっ! へ、へクター! お前の顔も真っ赤だぞっははっ!!」
その真っ赤なへクターの顔を見て、私はあまりにおもしろすぎてお腹を抱えて笑ってしまう。笑うたびに傷が痛むのだが、そんな事どうでもいいくらいおもしろい。
あまりに毎日が暇すぎてつぼが狂ってしまったのかもしれない。
「……。笑いすぎでしょ……」
「はははっ…ククククっ!! いや…ごめん…っはははっ!」
私がいまだに笑っていると、へクターはあきれたような恥ずかしいような、微妙な顔をした。
「…俺、麗華が笑うところ始めてみたかも」
「っっっ?!!!!」
唐突に言われたその言葉で私は耳まで赤くなったと思う。
「…可愛い…」
「っっっっっ!!!!! ////」