第2章 苦しみを忘れた少女
私があまり動けないから、という理由で、私の部屋に4人とも集まる。
さっきのこともあって、ルーファスから目をそむけながら、話しを進めた。
「じゃあ、私が倒れてから一か月も経ってるってことね…。はっ! …その際の国の指揮は……?!」
「無礼ながらも、私達でとらせていただきました…。しかし、一か月も麗華様がお見えにならないと、さすがに疑いの目も出てきますし…。他の小さな国にも、知られてもおかしくないないです」
ミルトが真剣なおもむきで、しかし少し目をはらしながら話した。(エリックから聞いた話によると、さっきまで泣いていたらしい)
「そう…。じゃあ、私が国民の前に出ればいいのね」
「…っ?! そんな! まだ立つのも苦しい状況なのに! 無理をしないでください!」
エリックは声を荒げて私に言った。私はベッドに座っている状態なので、上から言われていてどうも違和感がある。
「せめて5日。5日は安静にしててください。麗華様。その後何か問題があっても困りますので」
ミルトに宥められるように言われ、私はしぶしぶ「…分かった…。5日だな」と静かに言った。
「この5日は出来るだけ動かないようにしててください。………異変があれば、すぐに知らせてください。近くにいるようにしますので」
「…分かった」
そう言うと、ミルトは「今日は麗華様も病み上がりですし、これくらいにしましょう」と言って、全員を外へ出させた。もちろん自分も外に。
出際にミルトはこちらに振り向いて「麗華様」と私の名を呼んだ。
「私を…。いえ、私達を、頼ってくださいね」
そうとだけ優しく言って、扉をゆっくりと閉めた。
「……「頼ってくださいね」……か…」
『俺を頼れよ!!』
『っ………!! フィル……!』
「懐かしいな…」
少し昔を思い出しながら、ベッドに背をあずけ、私は目を閉じた。