第1章 four plus one
3人に合わせて丁寧に朝あいさつをされ、きごちなくあいさつを返す。
「ただ今できた所ですので、どうぞお座りください」
ミルトさんがナフキンを手にかけながら手前の椅子を引く。
「ありがとうござ……ふぁっ?!!」
「ふぁって…」
机の近くまで行くと、豪華な朝食が目に入った。
「んなななななっ! 何この朝食!! すごいおいしそう!!」
「そう言ってもらえるとうれしいでーす」
興奮した私が声のした方を見ると、エリックさんが手を拭きながらこちらに歩いてきた。
「えっ。これ作ったの、エリックさんんですか?!」
「いやぁそれほどでも」
「まだ褒められてないぞ?」
エリックさんはルーファスさんに突っ込まれた後「どうぞ食べてください」とニッコリと笑った。
「いただきますっ!!」
「ごちそうさまでした! おいしかったです」
「………」
「あれ?」
私が笑いながら行ったはずなのに、エリックさんは顔を下に向けた。
「あ、あの…?」
「うわあぁぁあぁっ! 嬉しすぎて死ぬ!! 死んでイイですか?!」
「何でですか?!」
隣のへクターをバシバシと叩きながら「うわあぁぁぁ」と声を上げるエリックさん。
「……これは一体?」
「あぁ。エリックは、まぁ毎日食事の担当をしてるんだが、この世界の麗華は普段から褒めたりしない人で、普通に食って終わるんだ。だから、褒められて嬉しいんじゃね?」
「なるほど…」
いまだに「うわあぁぁぁあ」と喜んでいるエリックさんを見る。何か…どうしよう。
「エリック、うるさい。黙れ」
「酷い!! 空気よんで!」
何とかルーファスさんによって戻ってきたようです。
「では、昨日の続きを話しましょうか」
ミルトさんがそう言って全員をまとめる。
「よろしいですか? 麗華様」
「あ、はい。お願いします」
敬語きごちない……。