デジタル世界に迷い込んだ選ばれし8人の他にあと二人いた?
第8章 人間界とデジタルワールド
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ようやく走ることをやめたミミさんに僕は声をかける。
「ミミさん。一人は危険です。戻りましょう。」
こんな言葉しかかけられない自分が嫌になる。
「……………コウシロウくんも幻滅した?」
ミミさんが顔を見せず僕に問いかけた。
「小姫ちゃんに言われて気づいたの。私………最低だわ。パルモンたちも同じデジモンなのにね。」
「……ミミ……」
「………怖かったの。初めて太一さんたちと前に出て戦って、でも全然敵わなくて。みんなが傷ついていくのがとても怖かった。やっとエテモンから逃げることが出来てできればもう戦いたくないのに、小姫ちゃんは敵の心配までしてるんだもの。」
「………当然ですよ。生き物には防衛本能があるんですから。ミミさんの言ったこと分かります。」
「でも、小姫ちゃんの言ったこと正しいと思っているんでしょ?」
「………なんとも言えません。彼女の言い分は……敵のために仲間を危険に晒すということでもありますから。」
「…………。」
「僕はミミさんの意見も、小姫ちゃんの意見もどちらも正しいと思います。ただどちらとも言い方が良くなかったんですよ。さあ、戻りましょう。心配してますよ。」
「…………うん。」
にこっと差し出したてを握るミミさん。僕は顔が熱くなるのがわかり、急ぎ足で戻り始める。
「ちょっ、待ってよコウシロウくん!」