デジタル世界に迷い込んだ選ばれし8人の他にあと二人いた?
第8章 人間界とデジタルワールド
息も絶え絶えになりながらも、やっとピッコロモンの住処へとたどり着いた私達。
「…………し…死ぬ」
「もう……だめぇ……」
私の後で倒れ込むミミちゃんとジョウさん。かくいう私ももう1歩も歩けそうにない。
「さあ!特訓は明日からだっピ。今日はもう寝るっピよ」
ピッコロモンから案内された場所には既に布団が人数分引いてあった。私たちは何も言わずそこに倒れ込んだ。数分後、皆の寝息が聞こえた。しかし、私はあの夢が頭から離れず、ゆっくりと起き上がった。皆を見ると、あの秋くんでさえぐっすりと寝ていた。私は起こさないように外へと出た。
「…………眠れないっピか?」
そんな私に声をかけたのは、ピッコロモンだった。私は頷き、彼を見た。
「…………ピッコロモンは知ってるの?私のこと」
ピッコロモンはそれには答えてくれず、ただ私の隣に並んだ。しばしのちんもくのあと、ピッコロモンは口を開いた。
「……本来、選ばれし子供は、7人と言われていたんだっピ。」
その答えで十分だった。私は唇を噛み締め、下を向いた。私はやはり………
「じゃが、未来は変わる。予言に何が書かれていようとも、じゃ。実際に選ばし子供も、そのデジモンも2増えておる。」
私はその言葉に驚き、ピッコロマンを見た。聞き違いではなければ、予言とやらに書かれていたものと実際の私たちの数が二人多いことになる。しかし、そうなれば一人足りない?いや、私以外にまぎれた人が?でも私以外、みんな進化できているし……
「………そういう事だっピ。未来は変わる。いい方にも悪い方にも。運命は不平等じゃが、それを受け入れるかどうかはその人次第だっピよ。」
ピッコロモンの言葉は私の胸に響いた。私は彼にうなずき、微笑んだ。私がやるべき事が見つかったからだ。
「……ありがとう。ピッコロモン」