デジタル世界に迷い込んだ選ばれし8人の他にあと二人いた?
第8章 人間界とデジタルワールド
滝の後ろ側にはさらに奥があるらしい。奥へと進んでいくと、大きな紋章のようなものがあった。
「コウシロウくん。これゲンナイさんが言っていた更なる進化ができる紋章?」
「ええ!間違いありません!だけど、誰のものなのかは………」
「太一だ。」
何故かそう思った。この太陽に似たマークは私達を導くマーク。これは絶対に太一のものだ。
その時大きな地響きがした。
「………上で何かが起こったんだ。」
嫌な光景が目に浮かぶ。みんなもそのようだった。暗い雰囲気があたりを包む。
「うおっ!?びっくりしたー。」
太一の場に合わない声が通路に響く。
「太一!?あんた無事だったの!?秋くん、ミミちゃん大丈夫?」
「エテモンのやつが最後にとどめで大きなエネルギーの塊を投げてきたんだ。ギリギリだったよ。………小姫?」
そこで秋くんが私の方を不思議そうに見る。
「小姫、なんで泣いてんだよ!」
どうやら私の目からは涙が出ているらしい。なんでだろ?ほっとしたから?みんなが無事で安心したから?…………いや、これは………
「大丈夫だよ。みんなが無事で良かった。太一、紋章見つけたよ。多分これ太一のじゃないかな?」
私の言葉に目を光らせる太一。
「…………どうした?」
「………分かんない。…………ねぇ、秋くん。私さ………」
「うおおおお!!」
やはり太一の紋章だったようだ。太一の興奮した声に舌打ちをする秋くん。
「……やっぱり後で話すね。まだ確認したいことあるから」