デジタル世界に迷い込んだ選ばれし8人の他にあと二人いた?
第8章 人間界とデジタルワールド
村はテントが20くらいの数の簡素なものだった。住民は寝てるのか気配はない。だけど私は違和感を感じた。
「…………ジョウさん。これを見て下さい。」
私はテントの入口の部分を指した。
「これがどうかしたのかい?」
「破られています。それも結構強引に。他のテントもです。」
「本当だ。……でもなんでだろう?」
「もしかして、村の乗っ取りとかあったのかもしれませんね。」
「村の乗っ取り?…………あ!なるほど。テントの入口を破いたやつはこのテントに入る方法が分からなかったんだ。つまりこのテントの持ち主じゃないってことか。」
「おそらく。それに太一たちは巻き込まれた可能性が高いですね。」
「太一たちはどこへいるんだろう?」
「ユタモン太一たちの匂い分かんない?」
ユタモンに聞くけど、いっぱい複雑な匂いがするらしくわからないそうだ。でも、太一たちの匂いはするらしい。
「んー。取り敢えずテントの中は空っぽだし………。先に行ってみようか」
「そうですね。」
そして、警戒しながらさらに進むと、水の音が微かに聞こえた。あと、何か大きく騒いでる声も。
「ぎゃははは!!馬鹿な人間の子供たちとデジモンだ!!」
「これで俺達エテモン様に褒められるな!」
「昇進だ!」
「ぎゃははははは!」
目つきの悪いデジモンたちが大騒ぎしていた。
「………取り敢えず太一たちを捕まえたやつらが分かりましたね。」
「そうだね。ということはこのあたりに太一たちがいるのかもしれない。探してみよう」
「………あの滝が怪しいですね」
そのデジモンたちにバレないようにこっそりと滝の後ろ側へと回る私達。運良くデジモンたちは興奮していて私たちには気づかなかった。
「…………あ!太一。」
そこには予想通りみんながいた。
「……………小姫!ジョウ!助けに来てくれたのか!よかったー!」
見ると捕まっていたのは、みんなの他にアグモンの進化前のデジモンたちもだった。この子達が奪われる前の村の持ち主だろう。
「怪我はない?」
衰弱の様子もないし、特別怪我も無かったのでほっとする。
「鍵はあいつらがもってるんだ。」
ヤマトさんが悔しそうに言った。
「これ外側から簡単に開けれる仕組みですよ」
私はそう言って簡単に牢屋のドアを開けた。