デジタル世界に迷い込んだ選ばれし8人の他にあと二人いた?
第8章 人間界とデジタルワールド
☆☆~小姫side~☆☆
そして、その夜。太一さんたちは帰ってこなかった。
「…………何かあったのかな?」
「様子を見に行くべきだよ!」
ジョウ先輩が立ち上がって言う。
「だけど今は夜。未知の大陸で無闇に動くのは得策じゃない。朝まで待とう。」
「……そうよね。」
秋くんの言葉に頷くミミちゃん。
「だけど太一たちに何かあってからじゃ遅いんだぞ!」
「ジョウさん。焦る気持ちは分かります。でも、ここで私達が何かあったら太一たちを助ける人は誰もいなくなってしまいます。秋くんの言う通り朝まで待ちましょう。」
私の言葉にぐっとなるが、
「……じゃあ君たちはここで待っていてくれ。僕が様子を見てくるよ。だから………」
自分だけが行くというジョウさん。
「………じゃあ、私も行きます。」
「だ、だめだよ!」
「その方が効率はいいですよ。もし何かあっても2人のうち1人が逃げ切れれば残っている2人に何があったか言うことができます。それでその後3人で作戦を立てて明け方動き出せば、より成功率が上がります。」
私が説明する。
「この中で1番の戦力は秋くんです。なので秋くんは残るのは決まってます。ミミちゃんと私は女の子なので分かれた方がいいでしょうが、私は進化ができません。なので、偵察の組の方がいいんですよ。」
「……………分かった。」
秋くんが溜息をつきながら言った。
「お前はこうと決めたら譲らないもんな」
「うん!」