デジタル世界に迷い込んだ選ばれし8人の他にあと二人いた?
第6章 バラバラになった仲間と目指せスパイラルマウンテン
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先輩に問いかけて確信した。この先輩は秋くんのことが好きなのだと。
秋くんとは別々のサッカーチームだったが、試合で何度か顔を合わせる程度だった。だが、そのサッカーへの取り組みの姿勢は尊敬するものだった。太一は気に入らないようだったけどね。秋くんと話していくうちにしだいに心が惹かれていった。ぶっきらぼうだけど、優しく。口が悪いけど、相手を思いやる。私も何回も助けられた。その度秋くんへの思いが強くなっていった。
「(やっぱり先輩も私と同じなん)ですよね。」
私はジョウ先輩の返事にくすくすと笑う。先輩は気づいていないが、その返事をする時の顔はまさに恋する顔だった。
「そういうソラくんこそ秋が好きなんじゃないの?」
「バレちゃいました?やっぱり分かりますよね。わかり易すぎですよね私。」
秋くんを見ると、ミミちゃんに一つ一つ丁寧に教えてあげている。それと後輩に丁寧に説明している姿とかさなった。
「じゃあ、私聞くこと聞けたんで、作業に戻りますね。」
私は立ち上がる。歩きだしてふと言いたいことを立ち止まって言う。
「あ、そうだ。ライバルに一言。自分の気持ちには正直に…ですよ?」
ジョウ先輩はきょとんとしていた。