デジタル世界に迷い込んだ選ばれし8人の他にあと二人いた?
第6章 バラバラになった仲間と目指せスパイラルマウンテン
ゲンナイから色々なことを聞いた。そして、海の向こうにはさらに別の大陸があり、そこにデビモン以上のやつらがいることを知った。
「よし!そこに帰る手がかりがあるんだろ!みんな行こうぜ!!」
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僕たちは今海を渡るための筏を作っている。正直不安だが船もなく、またあっても操縦できる人がいないから仕方ないか。
「……ジョウ。ぼーっとして大丈夫か?」
目の前の秋が心配そうに僕を見ている。僕は顔が赤くなるのを感じ、慌てて目を逸らす。
「だだだ大丈夫だよ!」
あれから僕は秋を見るとおかしいんだ。鼓動がドキドキして止まらないし、顔も火照ってしまう。また他の人は大丈夫なのに何故か秋の前だと緊張して上手くしゃべれない。
「そうか。無理すんなよ。」
頭をぽんぽんと叩かれて、僕の心臓は飛び出そうになった。
秋はデビモンを倒した後、みんなに歩み寄ることが多くなった。彼と話すようになって、実は世話焼きだったり、手先が器用だったりと意外な一面を見つけた。
「秋くぅーん!ここ出来ないの。教えてー!」
ミミくんは秋にべったりだ。ミミくんは秋が好きらしい。それに少しモヤッとする。…………モヤっとする必要なんて僕には無いじゃないか。
「………やっぱり休もう」
僕は木陰に腰掛けた。すると、ソラくんが僕の隣に座った。
「……ジョウ先輩。先輩って、秋くんのこと好きなんですか?」
飲みかけた水を吹き出しそうになった。
「なななな」
「誰だって先輩の態度見たらそう思いますよ。それで?」
「あ、あるわけないじゃないか!秋は男で僕も男なんだぞ!?」
自分で言っててハッとなった。確かに彼も僕も男だ。これが恋だなんて有り得ない。有り得るわけがない。
「ですよね。」
ソラくんがくすくすと笑う。
「そういうソラくんこそ秋が好きなんじゃないの?」
「バレちゃいました?やっぱり分かりますよね。わかり易すぎですよね私。」
秋をみるソラくんの顔は乙女そのものだった。
「じゃあ、私聞くこと聞けたんで、作業に戻りますね。」
立ち上がるソラくん。歩きだしてふと立ち止まって言った。
「あ、そうだ。ライバルに一言。自分の気持ちには正直に…ですよ?」
そして今度こそ作業に戻っていった。