デジタル世界に迷い込んだ選ばれし8人の他にあと二人いた?
第6章 バラバラになった仲間と目指せスパイラルマウンテン
「秋くん!!」
小姫が珍しく俺に抱きついてきたので、俺も抱きしめ返した。
「大丈夫?怪我はない?」
「ああ。大丈夫だ。」
「ほんと?よかった。秋くん時々すごく無茶するときあるから私ずっと心配で………心配で………」
小姫の顔を見るとそこには涙が溢れていた。きっと、太一たちに迷惑をかけないようにずっと我慢してきたのだろう。
そして気づいた。小姫が俺に支えられていたように、俺もまた小姫に支えられていたのだと。
デビモンの襲撃の時、いつもは従順な小姫が初めて俺のいうことに逆らった。それに少なからず戸惑いを感じていたが、簡単なことだった。小姫は誰よりも俺のことを家族だと思ってくれている。大事だと思ってくれている。だから、俺が傷つくことが何よりも嫌だったのだ。それだけで十分だった。
「………ありがとう小姫。」
「……?……私もありがとうだよ秋くん。」
顔を合わせて微笑み合う。すると、ゴホゴホと咳払いの音が。
「……お前らいつまで抱き合ってんだよ。」
タイチだった。
「………タイチ。あんたってほんっっっと空気読めないっていうか………」
ソラが呆れ顔。
「なんだよ!?ソラだってヤキモキしてただろ!!ジョウだって顔真っ赤にして冷や冷やしてたし!!」
「してないわよ!!」
「してないよ!!」
言い合いになる三人。
「小姫ちゃん!!」
タケルが小姫に抱きついた。
「ごめんね!僕が弱いせいで!!ごめんね!!エンジェモンを助けてくれてありがとう!」
「デビモンの狙いはタケルくんだったんだよ。タケルくんが捕まってたらみんながやられてた。だから大丈夫だよ。」
笑う小姫。
「………弟を守ってくれてありがとうな。」
ヤマトが俺に言う。
「……別に。……仲間だったら当然のことだろ?」
そう言うと、最初驚いた顔をして、ヤマトは微笑んだ。
「そうだな。」
「………あのー盛り上がっているところ申し訳ないですが………」
コウシロウが指を指した方向にはじいさんが立っていた。
「おおー!やっと気づいたか。選ばれし子供たち。よくぞデビモンを倒してくれた。」
そいつの名前はゲンナイと言った。