デジタル世界に迷い込んだ選ばれし8人の他にあと二人いた?
第6章 バラバラになった仲間と目指せスパイラルマウンテン
「大人しくしとけ。選ばれし子供。まあ、パートナーデジモンがいないお前では何も出来ないがな」
見張りのデジモンが高笑いして外へと出る。
私は窓の外を見る。思った通り窓の下は崖。そして窓は開かない。
「やっぱり他の方法を探すしか………」
ほかに出口を探すが見つからない。
「…………おい、デビモン様は何処かへお出かけか?」
「ああ。選ばれし子供たちがすぐ近くまで来てるんだとよ。」
「じゃあ、あいつを連れていけば……」
「ばか。選ばれし子供たちは8人いるんだぞ!それじゃあ、取り返されるじゃないか。」
「あ、そっか」
………みんなが近くまで来ている!それにデビモンもいない!今しかない!
あそこにいる見張りのふたりが邪魔だな。どうやってひきつけよう。
「…………あー!!痛い痛い痛い!!痛いよ助けてー!!」
我ながら下手な芝居だと思うが、見張りのふたりは信じてくれたみたいだ。
「ど、どうしたんだいきなり。」
「腹壊したのかも」
「あー!痛いよ痛いよ痛いよ!!死んじゃうよ!!!!!!」
さらに大声で叫ぶと一人が
「く、薬をとってくる!!」
と慌てて出ていく。
「くそ。死なれちゃ俺たちが怒られちまう。」
残った見張りの一人が後ろを向いたとき、私は隠していた棒を力いっぱい下ろした。