デジタル世界に迷い込んだ選ばれし8人の他にあと二人いた?
第6章 バラバラになった仲間と目指せスパイラルマウンテン
「…………ほう。こいつは珍しい。」
…………誰かの声が聞こえる。タイチ?ヤマト?それともタケルくん?
「だが、私はあの聖なるデジモンを持った子供を連れて来いと言ったはずだが?」
圧力的な言い方。違う。この声は確か…………
「デビモン…………」
「おおっ!お目覚めですかな?」
わざとらしく敬礼するデビモン。
「…………ここは…………」
「スパイラルマウンテンでございます。われの城です。さしずめ貴方は囚われのお姫様と言ったところでしょう。どうぞごゆっくり。」
「…………人質にするつもりですか?」
「ええ。まあ、人質なんぞ取らなくても私の勝利は目に見えているのですがね。」
にこりと微笑む。だけど、その姿はどこか焦りが見えた。
「…………何を恐れてるのですか?」
「………何を言い出すのです?私が何を恐ると?」
「あなたは私たちをバラバラにした後、デジモンを襲わせている。確実に私たちを倒すために。私達とあなたの実力の差は歴然なはずなのに何故そこまでするの?何があなたを恐れさせてると言うの?」
「だ、黙れ!!黙れ黙れ黙れ!!黙れ!!!!!!!!!!!!」
デビモンは私の喉を掴んで、力いっぱい壁に押し付ける。
「私は何も恐れてなどいない。手違いでお前がここに来てしまったが、なんてことはない。私がこの手でやつを倒せばいいことだ。」
デビモンのその言葉で私ははっとした。
「本当はタケルくんを連れてくるつもりだったのね。」
「………………!?」
「私をここに連れてきたデジモンは最初にタケルくんを攻撃しようとした。タケルくんのパートナーデジモンはパタモン。パタモンが進化すると困ることがあるの………ゴホゴホ」
デビモンが私の喉から手を離した。
「大人しくしてろ。まあ、ここから出やれはしないがな」
高笑いとともに立ち去るデビモンを私はにらみ続けた。