デジタル世界に迷い込んだ選ばれし8人の他にあと二人いた?
第2章 初めてのキャンプ場での初めての友達
~主人公2side~
「へー、秋君と幼馴染みなんだ」
一通りの自己紹介を済ませた後、もうその場に溶け込んでいる小姫。久々に楽しそうな小姫を見るので、はしゃぎすぎないか少し不安である。
「うん!親同士も仲良しなんだ。ね!秋君」
俺は何も反応せず、景色をただ見つめる。
「相変わらずの無反応。」
とソラは笑う。
「けっ、ただのかっこつけだよ」
八神太一が喧嘩をふっかけてくるがいつものようにスルー。
こいつらとはサッカーで知り合った。別のチームクラブだが、試合でちょくちょく顔を合わせる。実際に喋ったのは学年対抗のサッカー大会。上級生を差し置いて優勝争いをする俺たちのチームと八神太一のチームが戦い、接戦のところで俺たちのチームが勝った。それをこいつはいまだに根に持ってやがる。
「あ、綺麗なお花ー!」
目の前を歩いていた、確かミミとかいった女が座り込む。
「それはこの山によく咲いているサクラソウですね。」
コウシロウが説明する。
「そういえば秋君。自由研究何にするか決まりましたか?」
「いや、まだだ。コウシロウは?」
「僕もです。良ければ今年一緒にしませんか?小姫さんも一緒に。」
コウシロウとは三年の時の研究発表の時出会った。お互い似た題材だったためか話が合い、今の付き合いとなる。
「ああ。別に構わない」
森がひらけて、景色がいい場所へ出ると、一件の小屋が見えた。
「うおっ!小屋だ!」
太一が走り出す。それにつられるようにタケルも走り出した。
「タケル!走るな」
ヤマトが慌てて追いかけた。俺は小姫の様子をちらっと見た。やはり、少し辛そうだ。
「少しあの小屋で休もう。」
俺は小姫を抱えて、小屋の方へと歩き出した。