デジタル世界に迷い込んだ選ばれし8人の他にあと二人いた?
第4章 デジモンと進化
「アキ、君なんでここにいるんだい?」
「ジョウが夜中こっそり山へと向かったの見てた。ジョウ一人じゃ危険だから来た。行く前にソラに伝えてあるから大丈夫だ。」
そのままレオモンの背中に乗り、俺たちは頂上へと向かった。
「………アキは僕より年下なのに……しっかりしてるね。僕なんか、みんなの足を引っ張ってばかりだよ。」
落ち込むジョウに俺は…………
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ゴマモンの進化のおかけで、デジモンは倒せたけど、結局足でまといだった。それどころか僕が落ちかけたせいで秋も危険な目に合わせてしまった。
僕がみんなを守らなきゃいけないのに。僕がみんなを引っ張っていかなちゃいけないのに。僕は最年長者なんだから。
でも僕は、タイチみたいなカリスマ性を持ってるわけでもないし、ヤマトみたいに堂々と意見が言えるわけでもない。
ソラくんみたいにみんなをまとめることも、コウシロウみたいに賢いわけでもない。
ミミくんみたいな明るさも、タケルくんみたいな無邪気さ、小姫ちゃんみたいな懸命さも持っていない。
秋くんみたいに周りを見て臨機応変に対応することもできない。
所詮僕は………家族の中でも出来が悪くて、兄さんの身代わりなだけだ。僕は………僕は…………僕は…………ダメな奴なんだ………
「俺はそうは思わないけどな。」
秋が口を開く。
「……え?」
「ジョウは上手くやってる。ただ単にタイチとヤマトが似た者同士の意固地なやつらなだけ。あいつらを手なずけれるのはソラだけだ。」
数時間前のふたりをおさめるソラくんの姿を思い出して苦笑する。
「ジョウは周りのことを考えられるやつだ。今だって、お前の判断のおかげでみんなを危険な目に合わすことがなかったし、早めにここの地形が分かるかもしれないんだ。あいつらに任せてたら何週間だって先延ばしになってた。」
「…………秋………」
「むしろ足を引っ張ってんのはあの意固地なやつらだ。」
最初見た時、無愛想で口が悪いとっつきにくい子だと思っていた。だが、本当はこんなにも優しいんだ。ぶっきらぼうな言い方は変わらずだけど。
「確かにあのふたりのことで頭を悩ますのは馬鹿馬鹿しいや。あのふたりの対処はソラくんが適任だ」
その僕の言葉を
「ちがいねぇ。」
と無邪気に笑う君の横顔に僕は目を逸らせなかった。
