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melancholia syndrome

第2章 始まりの春


「おーい、HR始めるから席着けよ」
「なっ…!?」

入って来たのは"多分"担任の先生。
"多分"と付けたのはその人を私は知っていたから。

「ん?」

その人は私と目が合うとニコッと笑った。

間違いない、この人さっきの人だ。

思いがけない再会に放心していると先生は丁寧に黒板に文字を書き始めた。

「えーっと、今日からこのクラスの担任を務める和泉拓也(いずみたくや)です。1年間よろしくお願いします!」

パチパチと教室内で生徒達が拍手する。
和泉先生は満足そうに頷くと出席を取り始める。

その間にも女子生徒達は先生に対して好奇の視線を向ける。

「ねぇねぇ、結構イケメンだよね〜」
「彼女とかいるのかな〜?」

どうやら注目は和泉先生に移っていて私は一息つけるのだった。

「九条〜」

でも、これからどうしよう。

「九条はいないのか〜?」

このままだと友達1人もいないまま卒業なんて事も…

「九条さ〜ん?」

そんなのは絶対やだ…!

「九条!!!!!」

バシッと頭を叩かれる。

「へっ…!?」

涙目で上を見ると、いつの間にか和泉先生が私の席の前に立っていた。
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