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melancholia syndrome

第4章 波乱の一泊二日


「ちょっ…!唯ちゃん、それマジで言ってる!?マジでウケる…!」

お腹を抱えてヒーヒー笑う東堂さん。
そして、和泉先生も思い出したのか笑いを堪えるように顔を逸らした。

「そ、そんなに笑う事ないじゃないですか…!」

私は講義の目で2人を睨んだが、それに関して何の効果も感じられない。

「ほらほら、からかうのはそれぐらいにして早く食べなさいよ」

大家さんの戸塚さんが夕ご飯をテーブルに運んでくると2人共ようやく笑うのを止めた。

大家さんの戸塚絵里子(とづかえりこ)さんは和泉先生と東堂さんと同い年の25歳でとても綺麗な女性。

私が暮らしやすいように色々と面倒を見てくれるとっても優しい方だ。

朝、夕と作ってくれるご飯もとっても美味しくて私にとってお姉さんのような存在。

「んーでもね、拓也ちゃんは実際どうだったのさ?唯ちゃんに友達になって欲しいって言われてさ」

東堂さんがさっきの話題を蒸し返した。

「まぁ、俺も初めはびっくりしたけど普通に嬉しかったよ。それに俺以外にも友達出来たみたいだし」

だろ?と、言うように先生は笑った。

「はい、五十嵐君も友永君もとっても良くして頂いて…本当に良かったです…!」

えへへ、と笑ってみせると先生と東堂さんは顔を見合わせて笑った。

「五十嵐も友永も悪い奴じゃないから、アイツ等なら安心して九条を任せられるな」

グイッとグラスの水を飲み干すと、先生は自室へと戻って行った。

「それじゃあ、唯ちゃんは親睦会もその2人と一緒の班なの?」

東堂さんは食べる手を休めずに問いかける。

「お二人が是非と誘って下さったので、そうしました」
「ふふふっ……唯ちゃん、いい顔して笑うようになったね」

東堂さんは少しだけ楽しそうにそう言った。

「そう、ですか…?」

自分では自覚が無かったが、もしそうだとしたらそれは先生のお陰なのだと思った。
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