第2章 始まりの春
「ん?何々、2人とも知り合い?てか唯ちゃんの着てる制服って………」
東堂さんはここでようやく気づいたようだ。
「な、お前ここに住むの!?」
「ま、まぁ……そうですね……」
慌てた先生の言葉に私はぎこちなく答える。
今更アパートの変更は出来ない。
「べっつにいいんじゃない?一緒に住む訳でもないし?ただのご近所さんじゃん?」
東堂さんはどうでも良さ気にそう言うとアパートに入って行った。
取り残された私達はお互いに顔を見合わせる。
「なんつーか、あれだな。朝と言い、クラスと言い、アパートと言い、何かと縁があるな俺達」
「そうですね…」
偶然が重なって私達は同じクラスで毎日顔を合わせて、同じ所へ帰る。
こんな事になるとは夢にも思わなかった。
「まぁ、これから宜しくな」
差し出された手に私も自分の手を合わせて、しっかりと握った。
こうして、私の高校生活はスタートを果たした。