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ありがとうが言えなくて

第4章 思い出してる、思い出せない



 理花side

 勉強机に突っ伏して、手を前の方にでろーんと伸ばす。
 「はあぁ…。何なんだ…最近の私…」
 うつ伏せのままそう呟く。
 「あの人達と会うたびに、何かが変わってる…。特に…祥太さん…。この…感情って…」
 ズキンっ! 痛む胸。あの人達と会ってから、何度も感じたこの痛み。
 「まさか…恋…とか…?」
 その言葉が思い当って軽く言ってみる。
 「…?!! ////。そそそそそそっ! そんなわけ無い! 違う違う…」
 顔を上げて熱くなった頬を冷まそうと、顔をフルフルと回す。
 「………」
 また、遠くの日の何かを思い出しそうになって、少し悲しくなる。
 「私が…私なんかが…人を好きになっていいはずがない…」
 うつむいて両肩を自分で抱く。出そうになった涙をグッとこらえて、唇をかみしめた。


 「こんなに…汚れた私が……」


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