第4章 思い出してる、思い出せない
勇生side
ガミガミと(特に祥太に)怒っている彼女を見てみる。心なしか顔を赤くしながら、怒っているその姿を見ながら、俺は窓の外をフイッと向いた。
俺とお前の差は…、あいつとの距離の差か…。それとも…辛さの差か…。
とにかく、違うところはもう分かりきっている…。
俺は、思い出してる。いや、思い出してるだころか、忘れたことはない。
お前は、思い出してない。あのときのことを忘れている。
それがどんな原因かは俺には分からない。知らない。
けど、やはり、大きな差であることには違いない…。
俺は思い出してる。お前は思い出せない…。
亮。お前だったら、彼女に何て言う…?