第4章 思い出してる、思い出せない
「?!」
教室のざわめきで現実に戻される。
…あれ。さっきまで何考えてたんだっけ…。
何か、大事なことを……人を…、思い出していた気がするんだけど……。
―――ってそんな事どうでもいい。
昨日のように私が唐突に、しかも2年生に呼ばれて、ヒソヒソと話し出すクラスメイト達。
カァっと顔が熱くなるのを感じ、そちらをバッと振り向く。
「おーい理花ー!」
「Sorry!! 理花ちゃん!! 朝の事はゆるしてえぇえぇえぇぇえ!!」
「っ。うるせぇよマリア。朝からずっとこの調子じゃねぇか…」
「ああっ!! 愛里だー! おーい!」
「ああっ!! 景一にぃだー! おーい!」
………。
「おーい!」
「おーい!」
「理花ちゃんゆるしてええぇえぇぇ!」
……………。
―――ピキっ。
「んああぁあぁ!!!!! うるさいです!!!! 黙ってください!!!!!」
「「「「「はい。すみませんでした」」」」」