• テキストサイズ

ありがとうが言えなくて

第4章 思い出してる、思い出せない


 「?!」
 教室のざわめきで現実に戻される。
 …あれ。さっきまで何考えてたんだっけ…。
 何か、大事なことを……人を…、思い出していた気がするんだけど……。

 ―――ってそんな事どうでもいい。

 昨日のように私が唐突に、しかも2年生に呼ばれて、ヒソヒソと話し出すクラスメイト達。
 カァっと顔が熱くなるのを感じ、そちらをバッと振り向く。
 「おーい理花ー!」
 「Sorry!! 理花ちゃん!! 朝の事はゆるしてえぇえぇえぇぇえ!!」
 「っ。うるせぇよマリア。朝からずっとこの調子じゃねぇか…」
 「ああっ!! 愛里だー! おーい!」
 「ああっ!! 景一にぃだー! おーい!」

 ………。


 「おーい!」
 「おーい!」
 「理花ちゃんゆるしてええぇえぇぇ!」

 ……………。

 ―――ピキっ。

 「んああぁあぁ!!!!! うるさいです!!!! 黙ってください!!!!!」


 「「「「「はい。すみませんでした」」」」」


/ 31ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp