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ありがとうが言えなくて

第2章 どうしよう


 どうしよう。
 
 どうしようどうしようどうしよう。
 
 ―――どうしよう。本当にどうしよう。
 
 私が転びそうになったのを助けてくれたのは構わないよ。うん。そこまで構わないよ。けどさ…。
 この状況どうすればいいの?!
 
 私は非常に困っていた。
 さっきの抱きかかえられた状態のまま、私はどうすればいいのか分からず、完全に硬直してしまっている。
 顔はきっと茹でだこ以上に真っ赤だろうし、鼓動の早さも伝わっているかもしれない…。
 「あ、あの…」
 「わー。顔真っ赤だよ? かわい―――」
 スパアン!!
 ものすごくいい音がし、私はその反動ですぐさまそこから離れた。
 「あ…すっすみません! つい、気色が悪いのでビンタしちゃいました」
 「ずいぶんストレートだね」
 
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