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ありがとうが言えなくて

第4章 思い出してる、思い出せない


 

 亮とは、友達以上、恋人未満のような、微妙な関係だった。けど、私たちはいつも一緒にいて、とても仲が良かったといえると思う。


 ―――それなのに―――



 
 亮side
 
 「スー…スー…」
 小さな可愛い寝息が理花から聞こえる。今日は新作のゲームをやる予定だったのに、疲れていたのか、部屋に来てそうそう寝ちまった。
 「…まあ、いいもの見れたし…いっか」
 自分で言ってからすこし恥ずかしくなって理花から目線をずらした。

 まあ…最近疲れてるっぽかったからな…。それに「転んだ」とか言って、怪我も多かったし。少し休ませてやるか。
 そう思って理花を見ると、理花のシャツの腹の辺りが、ピラリとめくれて、腹が見えていた。
 「…無防備だな……」
 そう言いながらも、風邪をひかれては困るので、直してやろうと、近づいてシャツに手をかけたその時…。


 「……!! 何だよ…これ…!!」


 俺のその声で、理花はゆっくりと目を覚ました。
 

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