第4章 ♡Episode2♡ 白咲先生
そして1ON1をすることになった二人。
「じゃあ白咲先生、手加減なしでお願いします(笑)」
「ふふ、最初からそのつもりよ(微笑)
藤ヶ谷君、覚悟はいい?」
「......おう。」
(どっからあんな自信が出てくんだよ......)
ダンダンダン...
まずボールは百合の手に、
「......っ」
(っ逆に小せぇと、ディフェンスが......)
百合は背を縮こませ、小さい背をさらに小さくする。
「藤ヶ谷君、さっきまでの余裕さはどこに行ったのかな?」
「っるせぇ!」
頭に血の上った太輔は百合からボールを奪おうとするが...
ひょいっ
「んなっ!」
「試合中ムキになるのは良くないわよ(笑)」
あっさり太輔の腕をかわし、ゴールのリングに向かってドリブルを始めた。
「っやべぇ!」
「......だから言っただろう、油断すると痛い目に合うってな(苦笑)」
百合はスリーポイントラインまで走り、その場に止まった。
「っアイツまさか......」
(3Pシュート打つつもりか?)
そして......
「......。」
シュッ...
「っ......」
シュートフォームに入った百合から太輔はボールを奪おうとしたが、
太輔の手が届く前に百合の手からシュートが放たれた。
「入った!」
「よしっ!」
「っまさか......」
ボールは綺麗に、リングの中に吸い込まれるように入って行った。
「っマジ、かよ......」
漠然とその場に立つ太輔。
「流石です白咲先生!これでまた3Pシュート決めたら勝ちですよ!」
「そうね(微笑)」
「っ......」
(こんなチビ女に、あっさり抜かれるなんて......)