第6章 キライ、キライ...

「あゆ！！」

「な...んで」

私の姿を見て大粒の涙を流す咲綺
咲綺にゆっくりと手を伸ばすと、ギュッと握ってくれた

「ごめん...。ごめんね。もっと早く助けてあげられたら良かったのに...」

手を強く握って自分の頬にあてた咲綺の涙が私の手を濡らす

「奈々先生がね、あゆを運ぶ男３人と女を見たって言うからずっと探してたの...。遅くなって、ごめんね...」

たくさん謝ってくる咲綺

顔は涙でぐちゃぐちゃで、私もホッとして涙が溢れてきた

「よかった...」

「...え？」

私の言葉に目を見開く咲綺