第6章 キライ、キライ...
「嫌われたって、思ったの...。咲綺に嫌われたら、もうダメだって...急に全部、怖くなって...」
胸がいっぱいになって声が震えた
「あゆ...!ごめん、ごめんねっ...!」
涙が止まらない私を、咲綺は優しく抱きしめてくれた
「咲綺ちゃん」
武本くんの声に咲綺は顔を上げる
「あゆ。後は皆の誤解を解くだけだよ!」
「...でも、どうやって?」
キョトンとしている私に武本君が近寄ってくると、いきなり抱き上げられた
「た、武本君...!?」
「振動で体が痛むかもしれないけど、ちょっとだけ我慢してね?」
そう言って優しく微笑んだ
「急ごう!!」
「先生、後お願いします!」
「おう!」
武本君に抱えられたまま校舎へと向かった
(皆の誤解を解くって...一体どうするんだろう?)