第6章 キライ、キライ...
「恵...もう廊下なんだから切り替えろよ。いつ他の生徒と会うか分かんないんだからさ」
駿がそう言うと、前から女子生徒が1人こちらに向かって走ってきた
「ほらほら!言ったそばから...」
「...あゆ?」
「え?あゆちゃん!?」
俯いたまま走ってくる女子生徒を見ると駿は首を傾げる
横を通り過ぎる瞬間
恵はその女子生徒の腕を掴んだ
「....ッ!!」
恵と駿に気づいていなかったのか
急に腕を掴まれたあゆは驚いて顔を上げた
「お前っ...」
真っ赤な目に涙をいっぱい溜めているあゆ
「どうし...」
「離してっ!!」
あゆは手を振り払うと再び走り出した
すぐにその後を追う恵
「ちょっ...恵!」
駿も2人の後を追った