第6章 キライ、キライ...
「ちゃんとあゆちゃんの事、見てあげてる?」
駿からいつもの笑顔が消える
書類を机に置くと恵を軽く睨んだ
「次は後悔すんなって言ったよな?...今回も傷つけたまま放っておくの?」
その言葉に恵は眉を寄せた
「今回も...?」
「本当...恵って鈍感すぎ」
「それってどういう意味だよ」
落ち着いた声色に対して、手は思いきり拳を握っている恵
駿はそれを見て眉尻を下げ嘆息した
「さあね、俺が言えるのはここまで。後は自分で考えたら?」
「...なんだよ、それ」
「それじゃ、教室行きますか」
駿の言葉に明らかに納得していない様子の恵
表情はまさに不機嫌そのものだった
恵は小さく舌打ちした後、鞄を手に取り駿と生徒会室を出た