第6章 キライ、キライ...
「まさかっ...!ただ、知られたくない。これ以上辛くなりたくないの」
私の呟きに武本君は手を止めた
「雨宮君に言っても何も変わらないよ。知ったところで周りと同じように私を更に突き落とすだけだと思う。きっと...」
「......」
これ以上何かあったらきっと耐えられない
それなら...
今を我慢するしか他に道は無いから
今の私にはそれしか出来ない
辛そうに自分の気持ちを吐き出したあゆを見て、駿は切なく眉を寄せた
「...はい。キレイになったよ」
武本君の声に我に返るあゆ
「あっ...ありがとう」
「俺、ちょっと寄るとこあるから。気をつけて教室行ってね」
武本君は微笑むとあゆの頭をポンと撫で、校舎へと向かっていった