第6章 キライ、キライ...
武本君の姿が完全に校舎の中へ消えた後
濡れた靴をビニール袋に入れて、あらかじめ持ってきていた靴を履いた
「はぁ...」
武本君から借りたタオルを見つめ思わず溜息が出る
教室に入る瞬間が一番嫌いだ
複数の鋭い視線が私に突き刺さるから
誤解だってことを知ってもらえる日がいつか来るって信じて毎日学校に来てるけど
もう、限界なのかな......
教室に向かう途中
廊下の角を曲がったその時だった
「...っあ」
ふとぶつかりそうになった人物...それは
「咲綺ッ」
「!?」
何日ぶりに会っただろう...
ここ最近ずっと会えてなかったから
久しぶりに見た咲綺の姿に、あゆは自然と頬が緩んだ