第6章 キライ、キライ...
生ゴミと虫の死骸を片付けて、汚れた靴をいつものように洗いに校庭の水道へ向かう
ジャーッ
靴に水をかけながらその様子をぼんやりと見つめていると、突然何処からか水をかけられた
「...っ!」
横を見るとホースを持った女子2人がこっちを見て笑っている
「びしょ濡れじゃん!ウケるーっ」
「ボーっとしてるからだっつの!」
自分から滴り落ちる雫
今が夏でよかったと思える私は、まだ大丈夫なのかな...
「あゆちゃん」
後ろから聞こえた声に振り向くと武本君が駆け寄ってきた
「やば!武本君だよ」
「行こっ!」
武本君の姿を見て2人は逃げていった
「あゆちゃん...大丈夫?」
「あ...、うん」
心配そうに私の顔を覗き込む武本君に私は精一杯の笑顔を見せた
「手伝うよ」
自分の鞄からタオルを取り出し私の頭にかけると、武本君はニッコリと微笑んだ
そんな彼に私は思いきり首を横に振る
「汚いから、私が...」
「汚い事は男に任せればいいよ」
「ね?」と首を傾げると武本君は靴を洗い出した