第5章 苦痛な日々(R18)
「なに?」
「さっき買ったの。まだ飲んでないから...」
私の言葉に雨宮君は首を傾げると目を細め軽く息をつく
「それ、俺に飲めって?」
彼の言葉で空気が一気に冷たくなったように感じた
もしかして...間違ってた?
買ってこなきゃダメだったのかな...
「あ...あの、今から買って...」
「飲ませて」
雨宮君と自分の言葉が重なってよく聞こえなかった
”2回も言わせるの?”
さっきの言葉が頭に浮かんで私はただただ硬直する
そんな私を見て雨宮君は頬を緩めた
「あゆ」
彼の表情が穏やかになり内心ホッとする
名前を呼ばれて彼を見れば、上目で甘えたように見つめてきた
「飲ませて」
ドクン...
耳に入ってきた言葉に鼓動が早くなるとペットボトルを握り締めた
「それって...」
表情が強張る私に対して雨宮君は面白がるように笑みを浮かべていて、私を見つめたまま人差し指で自分の唇を軽く叩いた
彼の行動を見た瞬間、全身の血液が沸騰したかのように体の奥が熱くなる