第5章 苦痛な日々(R18)
「あのさ...」
沈黙の後、雨宮君が耳元で小さく呟く
「駿と何話してた?」
「!」
武本君と一緒に居たの、見てたんだ
「ここに向かってる途中で武本君とぶつかって...」
言葉の途中で雨宮君は体を起こし私から離れると、いつも座っている自分のイスへと腰掛けた
「...?」
私も体を起こし素早く制服を直すと、彼の意図の見えない行動に首を傾げる
雨宮君は深くイスに寄りかかり溜息をつくと視線をこちらへと向けた
「のど渇いた...」
「え?」
「2回も言わせるの?」
(何か飲みたいって事、だよね...?)
確か...さっき買ったお茶があったような
開けてないしそれでも大丈夫かな...?
身なりを整えてソファーから降りると、鞄からペットボトルを取り出しチラリと雨宮君に目を向けた
無表情でこちらをジッと見つめている
(どうしたらいいんだろう...。何考えてるか分かんないよ...)
おそるおそる彼へと近づいてペットボトルを差し出した