第5章 苦痛な日々(R18)
「無理...出来ないよっ!」
思わず後ずさろうとすると腕を掴まれて強い視線に囚われた
「俺の言う事聞けないの?」
その言葉に唇を強く噛む
(この人には、逆らえないんだ...)
そう心では分かっているものの、なかなか決心がつかず固まっていると、手からペットボトルを奪われた
雨宮君はゆっくりとキャップを外して再び私へ差し出す
「あゆ」
彼の声はズルい...
その声で名前を呼ばれると、逆らえなくなってしまう
「ほら」
彼がそう囁くと私はペットボトルを受け取りお茶を口に含んだ
雨宮君が微笑んだのが一瞬見えて、私は自分から唇を重ねた
ドキドキしながら口に入っているお茶を流し込む
自分の口から少しずつ無くなっていくお茶
体が強張っているせいなのか
下手だからなのか
口にお茶を含みすぎたのか
なかなか無くならないお茶のせいで、まだ口移しは終わらない
(もう...無理!)
限界を感じた私は残りのお茶を飲み込むと唇を離した
「...っはぁ」
濡れた唇を手で拭って雨宮君を見る
同じように唇を濡らした彼は薄っすらと笑みを浮かべながら私を見つめていて
目を合わせたままゆっくりと唇を舌で舐めた
ドキッ...――
雨宮君の艶やかな行動にいちいち反応してしまう
見入っていると雨宮君は私からペットボトルを奪い立ち上がった