第5章 苦痛な日々(R18)
「今日は、咲綺ちゃん待たないの...?」
もう時間が無い...
時計を気にしながら茉莉に笑顔を向けた
「ちょっと用事があって...」
「そっか...。あのね、あゆ...」
(ダメだっ...もう限界!)
「ごめんっ、茉莉...。時間無いから、もう行くね?また明日話聞くから!」
「あっ..。また、明日...」
この時、私は自分の事ばかり考えていて、茉莉の切なげな表情にまったく気づかなかった
教室から生徒会室まで案外距離がある
私の足だと、急いで走っても5分は掛かるだろう
(絶対怒られるっ!)
走るスピードを少し速めたその瞬間
「どこ行くの?」
「――っ!?」
突然現れた人影に急には止まれず、そのままぶつかってしまった