第5章 苦痛な日々(R18)
(5時まであと20分か...。今日も咲綺と帰れないのかな...?)
でも一応、言っておいた方がいいよね
なんて言えばいいんだろう...
廊下で歩きながら考えたけど結局何も思いつかなくて、咲綺のクラスに着いてしまった
廊下から教室の中を見る
咲綺は...居なかった
「あ、あゆ~!どうしたの?」
1年の時に同じクラスだった子が近寄ってきて内心ホッとする
(他のクラスってちょっと緊張するんだよね)
「咲綺、居るかな?」
その子は教室を見渡すと首を傾げた
「あれ~、部活行ったのかな?いつもはまだ居るのに...」
「そっか...。ありがと!じゃあね~」
(咲綺...。私のこと避けてる...?)
まさか...そんな事無いよね?
昼休み急に帰ったのも用事だって言ってたし
いま教室に居なかったのだって、咲綺は部長だから...
きっと色々と大変なんだ......
(私の勘違いだよね?)
自分の教室に戻り時間を見ると、針は5時前を指していた
(ヤバい!早く行かなきゃっ!!)
鞄を持ち急いで教室を出ようとすると、大声で呼び止められる
「あゆっ!」
振り返ると茉莉が立っていた