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恋愛玩具

第5章 苦痛な日々(R18)



「...茉莉?」

「用事があるって...」

茉莉の様子に違和感を感じる
背筋が震えて悪寒がした

(まさか...っ!)

ハッとして教室を見渡す

(武本君の姿が無い!!)

全身の血の気が引いていく感じがよく分かる

「...あゆ?」

横から聞こえてきた声に顔を向けると、茉莉は私をジッと見つめていた

「誰か、探してるの...?」

「あっ..、ううん...」

否定しても茉莉は疑うように私の顔を見つめてきた

「えっと...武本君、どこ行ったのかなって」

そう口にした瞬間
茉莉は予想外の反応を見せた

「え!?武本君なの??」

目を丸くして私の言葉に驚いている様子だった

「......?」

この反応...
武本君は私と雨宮君の事言ってないみたいだ

(じゃあ...茉莉は何を考えてたの?)

「茉莉...何かあった?」

「...ううん。なんでもないの、気にしないで」

茉莉との会話はそこで途切れてしまった

”気にしないで”と言われたら余計気になるのが人間だ

茉莉が何を考えていたのか、すごく気になる...

昼休みの終わりを告げるチャイムが妙に私の心に響いた

午後からの授業は全然集中出来なかった

集中できなかったのは...
貧血のせい?
昼休みの事?
武本君の事?
玩具の事?

考えれば考えるほど
全部がグチャグチャに絡まって余計に分からなくなる

私が悩んでいても時間は待ってくれない...

あっという間に最後の授業が終わってしまった

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