第5章 苦痛な日々(R18)
「ん...?」
「あゆね、今日バレーでボール顔に当たっちゃって鼻血出たんだ...」
「あ~...あゆ、球技苦手だもんねぇ」
咲綺は「あゆらしい」と笑った
しかし、茉莉はあゆから返されたハンカチを見つめると黙り込む
「茉莉...?」
ハンカチを見つめたまま、切なげな表情を見せる茉莉
心配そうに名前を呼ぶ咲綺に対して静かに口を開いた
「あゆ...保健室から戻ってきた後からずっと様子が変で...」
「出血して頭回ってないとか?」
茉莉は咲綺を見ると首を横に振った
「保健室に連れてったの...雨宮君なの」
「......」
茉莉の言葉に昨日の2人を思い出す
「2人共暫く戻ってこなくて、武本君が様子見に行ったら戻ってきたんだけど...。雨宮君の様子もなんだか変だった」
そう言い終わると、茉莉は溜息をついた
「あゆと雨宮君...何かあったのかな?」
落ち込む茉莉を見て咲綺は何も答えずにただ黙り込んでいた