第5章 苦痛な日々(R18)
「け~いっ!」
「...あゆは?」
軽くテンションの高い駿を横目で見ると、恵は眉を寄せ小さく呟いた
その言葉に駿の唇は弧を描く
「ん~、後から来るんじゃない?」
「...あいつに何か言った?」
「ん~ん。何にも」
「あっそ」と言う恵を見て駿は妖しく笑った
「残念だったね。チューしたかった?」
恵はその言葉に一瞬目を見開くも、すぐに表情を戻す
「お前、バカじゃねえの」
「冗談だよ。...恵、次は後悔すんなよ」
恵の肩を叩くと、駿は先に体育館に入って行った
「......」
恵は駿の言葉に目を伏せると静かに嘆息した
「大きなお世話だ...」
小さく呟いたその声は、体育館から聞こえてくる声に簡単にかき消された