第4章 玩具
「もう私に関わらないで。...忘れようとしてるのに、放って置いて!」
振り返って彼を見ると、強い視線に見つめられた
怖いくらいに真剣なその表情に思わず息を呑む
「......ちょっと来て」
「――っ!やだっ、離して!」
雨宮君は表情を一切変えないまま静かに呟くと、力強く私の手を引いた
(もう...放って置いてほしいのにっ!)
無言で歩く彼に手を引かれて私たちの教室に入った
私を教室の中へと押し乱暴に扉を閉める雨宮君
こっちを見る彼は...感情が読み取れないほど無表情だった
「なに...?」
震えそうになる声をなんとか絞り出す
(弱気になっちゃダメだ...!)
ぐっと拳を握り締めて、鋭く彼を見つめた
「ずっと様子が変だ思ってたけど」
ジリジリとにじり寄ってくる彼
その声は低く感情がない声だった
「昨日の事...意識してたんだ?」