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恋愛玩具

第4章 玩具



キョトンとしたまま固まっていると先生が新しい体操服を差し出してくる

「これ、使って?」

そう言われて自分の体操服を見ると..血にまみれていた

(確かに、このままだったらヤバかったかも...)

「すみません...」

体操服を受け取ると先生はにっこりと微笑んだ

「気にしないで。あと、すごく出血していたし貧血になりやすいと思うから気をつけてね?」

「はい。ありがとうございます」

先生の優しさに心が温かくなって深々と頭を下げた



保健室の先生...
松下 奈々(マツシタ ナナ)先生は私の大好きな先生
美人で、女性らしくて、柔らかい雰囲気で...
将来こんな女の人になりたいと思う理想的な女性だ

たぶん、奈々先生のこと嫌いな生徒はいないんじゃないかな

そんな事を考えながら、先生が貸してくれた体操服に着替えた
ベッドのカーテンを開くと雨宮君と目が合ってすぐ先生へと視線を移す

「体操服までありがとうございます...。明日持ってきますね」

そう言ってさっきよりも深く深く頭を下げた

「いえいえ。急がなくても、返すのはいつでもいいからね」

先生の優しい笑顔
なんだかすごくホッとした

「それじゃあ、戻ろうか」

横から聞こえた声

先生から雨宮君に視線を移すと、彼はニッコリと嘘の笑顔を私に向けた

「先生。ありがとうございました」

雨宮君は私の肩を抱きながら先生にそう言うと軽く頭を下げた

「あ...いいえ。もう今日は見学したほうがいいって...阿部先生に伝えてくれる...?」

(あれ...?)

今の違和感はなんだろう?

奈々先生が雨宮君に対してぎこちないように感じたのは、気のせいかな...?

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