第4章 玩具
(え...なに...?)
気づくと私は蹲っていた
どうやら隣のコートからボールが飛んできたらしい
周りに人が集まってきた
「あゆ!大丈夫!?」
「うん。全然大丈...夫」
ポタ...
「あ、あゆ!」
床に血が落ちる
(は...鼻血!?!?しかも両方からっ!)
手で押さえても指の間から血が漏れてくる
(さっき鼻ぶつけたから?それにしては出すぎじゃない!?)
ポタリポタリと血を流す私
集まってくる人
恥ずかしい...
ただの鼻血なのに......
その時 誰かが私の肩を抱いた
「キャーーーッ!!」
さっきとは違う
女の子の黄色い声
「保健室、行こうか」
...雨宮君だ
雨宮君に連れられて体育館を出た
後ろからまだ黄色い声が聞こえてくる...
雨宮君に助けられたっていうのが嫌だけど...正直助かった
早くあの場所から逃げたかったから
保健室まで行く途中
雨宮君とは一言も話さなかった